発達障害(ASD・ADHD)の申請ポイント
はじめに
発達障害(ASD・ADHD)は外からは分かりにくく、
実際には困っていても “理解されにくい” という特徴があります。
そのため、多くの方が次のような不安を抱えています。
- 「働いているから障害年金は無理ですよね…?」
- 「診断されたけど、どこから説明したらいいのか分からない」
- 「職場の配慮でなんとか続けているけど、これでも対象になるの?」
こたえはとてもシンプルです。
発達障害でも、生活や仕事に支障があれば障害年金の対象になります。
働けているから不支給、とは判断されません。
その理由は、障害年金は “働けるかどうか” ではなく、“どれだけ配慮が必要か” を審査する制度だからです。
この記事では、発達障害の申請で押さえるべき
初診日/等級/就労配慮/主治医への伝え方 を専門社労士がわかりやすく解説します。
発達障害は障害年金の対象です
発達障害は障害年金では「精神の障害」に分類されます。
✔ 日常生活の困難さ
発達障の方は、表面上は「普通に生活できているように見える」ようでも、実際には次のような“日常生活の維持が難しい状態”がよく見られます。
- 掃除・片付けが苦手で、部屋が常に散らかった状態になる
- 物の定位置管理ができず、鍵・財布・書類などを頻繁になくす
- 予定の管理ができず、家族や支援者がスケジュールを管理している
- 感情コントロールが難しく、イライラ・不安・パニックが起きやすい
- 強いこだわりがあり、予定変更や想定外の出来事に対応できない
これらは審査上 「日常生活能力の困難さ」 として重視されます。
✔ 働くことの困難さ
働けているから軽い、とは判断されません。
多くの発達障害の方は “周囲の配慮や支援があるから働けている” 状態です。
- ミスが多く、同じ作業でも定着しにくい
- 人間関係のトラブルが起きやすく、転職・離職を繰り返す
- 指示の理解が難しく、間違った解釈で作業が進まない
- 優先順位をつけられず、締め切りに間に合わないことが多い
- 配慮(仕事内容の限定・細かい指示・ミスのフォローなど)がないと勤務継続が難しい
特に、
「支援がなければ勤務を維持できない」
これは審査において非常に大きなポイントです。障害年金は“どこを見るのか”を知るだけで、準備すべき書類が明確になります。
👉 精神の障害|等級判定ガイドラインを専門社労士が解説した記事はこちら 関連記事精神・発達・知的障害の等級判定ガイドライン
初診日の考え方|どの制度で申請できるか決まる
発達障害の初診日は、
発達の特性で困って初めて医療機関を受診した日
です。
初診日は、障害年金の次を決める非常に重要な日です。
- 基礎年金か厚生年金か
- 保険料納付要件を満たすか
- 障害認定日(1年6ヶ月後)の起算日
- 遡及請求の可否


審査で最も重視されるのは「生活能力」
審査で中心となるのは、症状よりも 生活上の困難の大きさ です。
▼ 審査で見られる主な項目
- 食事
- 清潔保持
- 金銭管理
- 危険回避
- 対人関係
- 社会性
- 服薬管理
生活能力が低いほど、等級が上がる仕組みです。
【重要】働いていても「軽い」と判断されるわけではありません
誤解されていることが多いですが、
働けている=軽度 → 不支給
→ このように単純に判断されるものではありません。
審査で重視されるのは、
“働くためにどれだけ配慮が必要か” です。
① 職場の配慮
- ミスのフォロー
- 仕事内容の限定
- 指示の細分化
- トラブル対応の肩代わり
- スケジュール管理
② 特別な働き方をしている
- 障害者雇用
- A型・B型事業所
- 就労移行支援
- 就労定着支援
- 相談支援の継続サポート
これらは
「配慮がなければ働けない」= 障害の影響が強いと考えられます。
発達障害の等級はこう判断されます
1級|常時の支援が必要
- 社会性・コミュニケーションが極めて困難
- 強い不適応行動
- 生活の大部分で常時見守りが必要 など
2級|日常生活の多くで援助が必要
- 社会性が乏しい
- 不適応行動があり生活が不安定
- 家事・金銭管理などが困難
- 配慮がなければ就労が難しい
- 一人暮らしが成立しない など
3級(厚生年金のみ)|働くうえで著しい制限
- 社会性が不十分
- ミスが多い
- 配慮なしでは働けない など
主治医に伝えるべき7つのポイント
診断書の内容は“あなたが何を伝えたか”で変わります。
必ず次の項目を整理して伝えるようにしましょう。
- 適切な食事
- 身辺の清潔保持
- 金銭管理と買い物
- 通院と服薬
- 他人との意思伝達及び対人関係
- 身辺の安全保持及び危機対応
- 社会性
文章にして渡すと”あなたの病状を正確に反映した診断書”になる可能性が高まります。
困りごとが多いのに、不支給になってしまった…理由と対策
「生活でも仕事でも困っているのに、どうして不支給に…?」
そんな気持ちになる方は本当に多いです。
不支給=あなたが悪い、わけではありません。
原因のほとんどは “伝わり方の問題” です。
ここでは、よくある原因と、対策をまとめました。
✔︎ よくある理由(あなたのせいではありません)
① 困っていることが主治医に伝わりきっていなかった
診察時間が短かったり、うまく言葉にできないと
本当の困りごとが伝わらないまま診断書が書かれることがあります。
② 診断書が「軽く」見えてしまう
医師が“日常生活の大変さ”まで把握できていないと、
結果として、実際より軽い内容の診断書になることがあります。
③ 就労の配慮が書かれていない
仕事を続けられている背景には、
家族や職場の“見えないサポート”があることがほとんどです。
そこが診断書に反映されないと、実際より軽く見られてしまいます。
④ 申立書と診断書にズレが生じている
あなたが書いた病歴・就労状況等申立書と、医師が書いた内容が一致していない場合、
審査側が “どちらが正しいのか” 判断できず、結果的に不支給につながることもあります。
✔ 対策
① 困りごとを“箇条書き”でメモにしておく
主治医に一度に説明できなくても、
短いメモがあるだけで診断書に反映される可能性が上がります。
② 家族や支援者の意見も加えて整理する
家族や支援者の視点も、大切な情報です。
③ 就労で受けている「配慮」を必ず書き出す
- ミスのフォロー
- 受けている指示の内容
- 仕事内容の限定
- スケジュール管理のサポート
など、あなたが職場で受けている配慮を書いておくと、
診断書に反映されやすくなります。
④ 診断書に書いてほしいポイントをまとめて渡す
医師にお願いする“説明文”を作るだけで、あなたの病状が正しく伝わる可能性が高まります。
まとめ|発達障害の申請で最も重要なのは“伝え方”
- 働いていても対象になる
- 配慮が必要な働き方は重要な判断材料
- 主治医の先生へ伝えることが最重要
- 申立書にも困りごとを明確に記載する


発達障害は「困っているのに理解されにくい障害」だからこそ、
“伝え方”で結果が大きく変わります。
働けている背景が「支援・調整・フォロー」で成り立っている場合は、
障害年金の対象になる可能性が十分にあります。
ご病気で働くことが困難なあなたのために、障害年金で経済的な安心を届けたい。その想いで、情報発信と活動をしています。
あなたにとって、参考となる情報でありますように。
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無料無料相談では
- 初診日の整理
- 就労状況(配慮)の分析
- 生活の困難の言語化
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あなたの状態を整理するだけでも、心の負担が軽くなる方が多いです。
どうか一人で抱え込まないでくださいね。

