
【専門家解説】障害厚生年金はいくらもらえる?等級別年金額と複雑な仕組みを「安心」に変える方法
はじめに
『計算式を見るだけで、もう頭が痛い…』

障害厚生年金の金額計算は複雑なイメージがあり、難しく感じるかもしれません。
しかし、この仕組みを少しでも知っておくことは、将来の大きな安心につながります。専門家として、この複雑な仕組みをあなたに『なるほど!』とスッキリご理解いただけるよう、丁寧に解説します。
報酬比例部分って何?
障害厚生年金は、初診日に会社員や公務員として働いていた方が対象となる年金です。もらえる金額は、全員一緒という訳ではありません。
報酬比例部分という、あなたのお給料(払った厚生年金保険料)や厚生年金へ加入した期間がベースになります。
今回は、令和7年4月分以降に適用される金額の概要を解説します。
- 報酬比例部分の特例
厚生年金への加入期間が300ヶ月(25年)未満でも、300ヶ月とみなして計算されるため、加入期間が短い方も安心です。
- 障害基礎年金との関係
2級以上の障害厚生年金を受け取る場合、必ず同じ等級の障害基礎年金もセットで支給されるため、より手厚い補償となります。
3つのステップで解説|障害厚生年金はいくら?
ステップ1:報酬比例部分の計算
報酬比例部分は、あなたが今まで払ってきた厚生年金保険や厚生年金に加入した期間で決まる障害厚生年金の基礎となる部分です。
- 平成15年3月以前の加入期間の計算方法
(平均標準報酬月額) × 7.125/1,000 × (平成15年3月以前の加入月数)
- 平成15年4月以後の加入期間の計算方法
(平均標準報酬額) × 5.481/1,000 × (平成15年4月以後の加入月数)
この2つの計算結果を合計したものが、あなたの年金のベースとなります。
ステップ2:等級ごとの年金額を求める
算出した「報酬比例部分」に、障害基礎年金と加算額を加えて、最終的な年金額が決まります。

※障害厚生年金1級と2級には、同じ等級の障害基礎年金も支給されます。
※障害厚生年金には最低補償額(623,800円)があります。※令和7年4月現在
ステップ3:各種加算額を確認する
配偶者加給年金
金額は、239,300円(年額)です。
生計を維持されている65歳未満の配偶者がいる場合に支給されます。
※配偶者が20年以上加入した老齢年金を受け取る権利があるときや、障害年金をもらっている間は支給停止されます。
(障害基礎年金)子の加算
1級または2級に該当して、対象となるお子さんがいらっしゃる場合、支給されます。

自分の情報を探してみよう!
複雑な計算の前に、まずはあなたの情報を探す準備を始めましょう!
具体的には、毎年誕生月に届く「ねんきん定期便」や、お手元にある「給与明細」などを確認してみてください。
もし「ねんきん定期便」が見当たらない場合は、マイナンバーを使って「ねんきんネット」へアクセスすることで、あなたの過去の年金情報を確認することができます。また、お近くの年金事務所の窓口で、過去の加入状況について直接確認することも可能です。
あなたの情報を確認して、次の一歩を考える準備を始めましょう!
ご病気で働くことが困難なあなたのために、障害年金で経済的な安心を届けたい。その想いで、情報発信と活動をしています。
あなたにとって、参考となる情報でありますように。
