障害年金「病歴・就労状況等申立書」はなぜ大切?あなたの未来を変える書類の話

はじめに|病気でつらい思い、ちゃんと伝わっていますか?

障害年金の申請を考えている方の中には、「病歴・就労状況等申立書」という書類の書き方に悩んでいる方が多いと思います。

この申立書は、あなたがどれくらい困っているかを、審査する人に伝えるための、とっても大切なものなんです。

過去のことを思い出すのは、とてもつらい作業です。気持ちが落ち込んでいて、書く気力が湧かない…あなたもそんな気持ちでいるかもしれません。

でも、大丈夫。この記事を読んだら、自分で「病歴・就労状況等申立書」を作成できるようになります

「病歴・就労状況等申立書」は、あなたのつらさを伝える、とても大切な書類

なぜなら、審査は「あなた自身」ではなく、「提出された書類」だけで行われるからです。

唯一の「自分の声」

主治医の先生が書く診断書は、病気のことを客観的に書いたものです。

でも、【あなた自身のつらさ】や、【日常生活での困りごと】は、あなたにしか書くことができません。この申立書は、あなたの「声」を審査する人に届ける唯一のチャンスです。

結果を左右する可能性

もし診断書に書かれていないあなたの困りごとがあったとしても、申立書でしっかりと伝えることで、審査官にあなたの状況を正確に理解してもらえます。これが、障害年金をもらえるかどうかの結果を左右することもあります。

「病歴・就労状況等申立書」ってどんな書類?

手書きで作成するあなたは、こちらを印刷してご利用くださいね。

パソコンで作成されるあなたは、こちらにご入力くださいね。

ワンポイント!基本はA3サイズで提出する必要がありますが、担当の年金事務所によっては、A4サイズでも提出できるケースもあります。事前に提出予定の年金事務所に確認しておくと安心です。

どうやって書けばいいの?|3ステップで解説

申立書は、ただ書けばいいわけではありません。少し工夫するだけで、あなたの思いがぐっと伝わるようになりますよ。作成のコツについて、3つのステップで解説しますね。

ステップ1:準備をしよう

過去の記録を探してみる

まずは、日記、お薬手帳、スマートフォンのメモなど、当時の状況を思い出すヒントになるものを探してみましょう。

家族に話を聞いてみる

昔のあなたの様子や、病気が発症した頃の状況を、ご家族に聞いてみてくださいね。一人で思い出せないことも、まわりは意外と覚えていたりもします。

「障害認定基準」を文章を書く前に確認しておく

ご自身の病気がどの程度の状態であれば、障害の等級に該当するのか、事前にしっかり確認しておきましょう

ステップ2:書くときの4つのポイント

ポイント1
「診断書」と「申立書」の内容が合っているかを意識する 

申立書は、診断書の内容と合わせることがとても大切です。診断書の内容を柱として、診断書には記載されていない、自分のつらさを肉付けしていくイメージで、文章を構成してみましょう。

ポイント2
「障害認定基準」を意識する

「障害認定基準」は、言わば「審査をする側が使うチェックリスト」です。

審査をする側は、あなたが提出した書類をこのチェックリストに照らし合わせ、「日常生活でどんなことがどの程度難しいか」を客観的に評価します。単に「つらい」と書くだけでなく、この基準の項目に当てはまるように具体的な状況を伝えることが、等級の認定につながるカギとなります。

ポイント3 
具体的に、わかりやすく書く

「つらいです」と書くだけでは伝わりません。「毎日3時間しか眠れない」「痛くて座っているのがつらい」のように、読み手がイメージしやすいように、具体的な言葉や数字を使いましょう。 また、嘘を書いたり、話を盛ったりするのは絶対にやめましょう。事実と違うことを書くと、診断書との内容が合わなくなり、提出した書類全体のの信用性がなくなる可能性があります

ポイント4 
読み手のことを考えて書く

審査をするのは、ロボットではなく、あなたと同じ人間です。相手が読みやすいように、あいまいな表現を避けて、簡潔な文章で書きましょう。内容ごとに段落を分けたり、伝えたいことは何度か繰り返して書いたりすると、あなたの思いが届きやすくなります。

ステップ3:困ったときのヒント

期間は3~5年で区切る

最初の区切りは、病状が出てから、受診するまで。2つ目の区切りは、初診日から書きましょう。期間を3から5年ごとに区切って、その時あった出来事、病状をわかりやすく記載していきます。入院をした場合は、入院の期間、受診のペースなど、病院ごとに区切って記載しましょう。

伝えたいことがたくさんあって、1マスに入り切らない場合は?

期間と医療機関名のマスを全く同じものを作成して、続けて記載しましょう。

同じ期間に2箇所の病院に通院していた場合

複数の病院に同時に通院していても、それぞれの病院の受診期間を独立して書きます。

例えば…

  • A病院: 2020年4月1日~2023年4月30日
  • B病院: 2019年10月1日~現在

このように、期間が重なっていても問題ありません。それぞれの医療機関における通院期間を漏れなく記載しましょう。

空白期間を作らない

発症した時から現在まで、すべての期間が繋がり、空白期間がないように、時系列に沿ってすべての期間の病状や困りごとを書いていきましょう。

★2箇所以上の医療機関に通院している、1マスに伝えたいことが収まらずに同じマスを2つ作っているなど、期間が重複しているのは問題ありません。

記入についてはこちら

長くなりますので、別の記事にまとめてあります。こちらの記事をご確認くださいね。

関連記事
【初心者向け】障害年金「病歴・就労状況等申立書」の書き方|不備ゼロで提出する3つの基本ルールと簡素化の特例
【初心者向け】障害年金「病歴・就労状況等申立書」の書き方|不備ゼロで提出する3つの基本ルールと簡素化の特例

まとめ

「申立書の重要性はわかったけど、やっぱり一人では難しそう…」

大きなことに取りかかる時にそう思う気持ち、よくわかります。

まずは、今日ご紹介した「過去の記録を探してみる」や「家族に話を聞いてみる」といった、小さな一歩から始めてみませんか?

その一歩が、あなたの障害年金への、大きな第一歩になるはずです。

ご病気で働くことが困難なあなたのために、障害年金で経済的な安心を届けたい。その想いで、情報発信と活動をしています。

あなたにとって、参考となる情報でありますように。

ひつじ社労士事務所のイメージ
社会保険労務士
ひつじ社労士事務所
はじめまして。ひつじ社労士事務所の石島と申します。 かつて病院や年金事務所で働いていた私は、病気や障害で悩む方々を一番近くで見てきました。 「一人で悩まないで大丈夫。」 あなたの不安な気持ちに寄り添い、障害年金という形で支えになれたら。そんな思いで、活動しています。 障害年金のご相談は、どうぞお気軽にお声がけください。

障害年金に関する情報

PAGE TOP