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5分でわかる!公的年金制度の基礎知識

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公的年金制度とは?

年金の役割と目的

「年金」ってよく聞くけど、実際どんな制度なの?老後にもらえるお金ってことはなんとなくわかるけど、詳しいことは知らない…そんな方も多いのではないでしょうか?

公的年金制度は、私たちが安心して暮らせるように、国が作った大切なセーフティーネットです。国民全員が加入する「国民年金」と、会社員や公務員が加入する「厚生年金」の2種類があります。

病気やケガで働けなくなったとき、または、亡くなったときに残された家族を支える役割も担っています。

公的年金制度は、私たちの生活に大きく関わる制度です。しかし、その仕組みは複雑で、理解するのが難しいと感じる方も多いかもしれません。

そこで、この記事では、公的年金制度の基礎知識を分かりやすく解説していきます。公的年金の役割や種類、社会保険の扶養など、基本的なことから丁寧に説明していきますので、ぜひ最後まで読んで、年金制度について理解を深めて頂けると幸いです。

公的年金の種類

国民年金

公的年金には、主に2つの種類があります。1つ目は、日本に住む20歳から60歳未満のすべての人が加入する国民年金です。学生や自営業者など、会社員や公務員以外の人が加入します。国民年金は、基礎年金とも呼ばれ、老後の生活を支えるための基本的な年金です。

厚生年金

会社で週30時間以上(会社の規模によっては週20時間以上)働いていると、社会保険に加入して厚生年金に入ることになります。国民年金と厚生年金には、2つの大きな違いがあります。

1つ目は、将来受け取る年金額です。厚生年金に入っていると、国民年金にプラスして厚生年金からもお金がもらえるので、国民年金だけの人よりも多くもらえます。

2つ目は、配偶者の年金です。厚生年金に入っていると、配偶者を自分の年金の扶養に入れることができます。扶養に入ると、配偶者は保険料を払わなくても国民年金に加入しているのと同じ扱いになり、将来年金を受け取ることができます。

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世代間での支え合い

国民皆年金

日本では、20歳から60歳未満のすべての人が、職業や働き方に関係なく、公的年金に加入する必要があります。

これは「国民皆年金制度」と呼ばれ、自営業やフリーランス、会社員、公務員、さらには無職の人まで、幅広い人々が対象となります。

国民皆年金制度があることで、たくさんの人が年金制度に参加し、保険料を出し合う大きなグループを作ることができます。このグループが、高齢者の年金を支える役割を果たし、社会全体で老後の生活を支え合うことができるのです。

つまり、国民皆年金制度は、私たちが安心して老後を迎えられるように、みんなで協力し合う仕組みと言えるでしょう。

社会保険方式

社会保険方式の年金は、現役世代が納める保険料が主な財源で、そこに税金も加えて、安定的に年金を支給できる仕組みです。基本的には、保険料を払わないと年金はもらえません。

しかし、例外もあります。20歳になる前に病気やケガで障害を負った場合、条件を満たせば、保険料を納めなくても20歳になった月の翌月分から障害年金を受け取れる可能性があります。

世代間扶養

年金制度は、今働いている世代が保険料を払い、そのお金で高齢者の年金を支える仕組みです。つまり、私たちが将来もらう年金は、今の子供や孫の世代が支払う保険料で賄われることになります。

この仕組みを「世代間扶養」と呼びます。

世代間扶養のおかげで、年金は一生涯にわたって受け取ることができ、物価が上がっても年金額がそれに合わせて調整されるとされています。

社会保険の扶養

3号被保険者って何故存在するの?

1986年に始まった3号被保険者制度。これは、会社員や公務員の夫に扶養されている専業主婦が、保険料を自分で払わなくても国民年金に加入できるという制度です。

夫が払っている厚生年金の保険料の一部が、妻の年金のために使われる仕組みになっています。

3号被保険者制度創設前も、専業主婦は国⺠年金へ加入可能でしたが、加入するかどうかは本人の自由(任意加入)だったため、 国民保険料を支払ったかどうかで老後の年金額に格差が生じていました

また、加入していない専業主婦は、障害年金を受給できず、また離婚した時に年金がないという問題もありました。

夫が働き、妻が家庭を守るという考え方が一般的であった時代 に、収入を得られない専業主婦の年金を受ける権利を確保することが、制度創設の目的でした。 

しかし時代は変わりました。

結婚しても働く女性が増え、「夫が働き、妻が家庭を守る」という考え方は薄れてきています。

そのため、3号被保険者制度は「今の時代に合わない」「不公平だ」という声も出てきています。例えば、共働きでそれぞれが保険料を払っている夫婦と、夫だけが保険料を払っている夫婦では、不公平感が生まれてしまいますよね。

こうした背景から、3号被保険者制度の廃止や見直しが何度も議論されてきました。

短時間労働でも年金に加入できるようになったことで、3号被保険者の数は減ってきています。今後は、女性も男性と同じように働くことが当たり前になれば、3号被保険者に該当する方は自然と少なくなっていくのかもしれません。

次の章では短時間労働者の社会保険加入について詳しく解説します。

パートでも社会保険に加入する人がいる?

現在は、従業員101人以上の会社で働く、学生でないパートやアルバイトの方で、週20時間以上かつ月収8万8千円以上の方は、社会保険に入る必要があります

2024年10月からは、範囲を拡大し、従業員51人以上の会社で働く場合も、この条件を満たすと社会保険に加入する必要があります。

これは、配偶者の扶養に入っている人(第3号被保険者)や、社会保険に入れないために、将来もらえる年金が少なくなってしまう人を減らすための法改正です。

まとめ

この記事では、「5分でわかる!公的年金制度の基礎知識」と題して、公的年金制度の役割や種類、社会保険の扶養などについて解説しました。

公的年金制度は、私たちの生活を支える大切なセーフティーネットです。この記事で解説した内容を参考に、将来の生活設計に役立てていただければ幸いです。

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ひつじ
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社会保険労務士
こんにちは。 開業社労士のひつじです。 社会保障制度の中でも社会保険、特に年金給付について解説するブログを開設しました。 本ブログでは、年金制度の仕組みや受給資格、請求方法など、読者の皆様にとって有益な情報を発信していく予定です。 本ブログを通じて、年金制度への理解を深めていただければ幸いです。
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